『自然の叡智』とガーデニング 其の一
3月末から愛知県で万国博覧会『愛・地球博』が開催されております。
メインテーマでもある『自然の叡智』(*注:叡智…人間が創り出す科学的知恵)と言っても幅広い概念的にも思いますし、サブテーマの3つ「宇宙、生命と情報」「人生の『わざ』と知恵」「循環型社会」とこれまた大変難しい内容ですのでここ(HP)では日本の自然と文化という環境とガーデニングについてお話しをさせていただきます。

@ サブテーマ「人生の『わざ』と知恵」
日本のガーデニング事情(造園)は古くから自然をお手本にした、サブテーマにもある「人生の『わざ』と知恵」で作り上げて入ると思います。
聞き覚えがあると思いますが、【借景】自然がお手本になっていまして有名な日本の庭園しかり、盆栽も同じで大自然の見事な風景や恵みを人の見近に取り入れようとしたものです。
そもそもお庭作りの基本は、例えば海や河は庭石や砂利敷きで山や川は築山を作って庭木などでかたちどり、湖は池として、また富士山などを背景に庭全体を表現して少しでも自然に近づけるようにして構成されていました。
植木の選択や配置なども勿論自然に群生されている木々(高木、中木、低木、地被植物が共存し合う形態)を真似ていまして、
そこに「『わざ』(技術)と知恵」が加えられ少しでも自然に近づけられた庭作りが日本の造園と言ってもよいかと思います。
庭木の手入れや管理も基本的には自然をお手本にしていまして、木々の性質に似合った使い分けを施しているのです。
いわば植木屋さんは自然の樹達から手法を教わっているのです。
ですから日本の造園は、自然(=環境)に耳を傾け、木々の声を聞き、そこに集まる生き物…虫(害虫も含めて)や鳥たちの行動等を見ながらより自然に近い物に作り上げる技法とも言えるでしょう。
それに比べて外国のガーデニングはシメンメトリー(左右対称)や幾何学的なデザインなど人工的に作り上げているのが特色です。また植木の手入れ(刈り込み手入れ)や管理もトピアリー(植物を人工的にまた立体的に形づくる造形物.刈り込みをした樹)であったり、単一常緑樹を使い四季感の少ないどちらかと言うと自然の厳しさに対応するガーデニングなのかも知れません。
どちらが良いとも一言では言えませんが、人が作り出す物(造園、ガーデニング)は自然に比べると小さな事です。
3年ほど前になりますが、世界遺産にもなっている『白神山地』に行く機会がありまして大自然のスケールの大きさとちっぽけな人間がその恩恵を受けている事を感じると共に自然の大事さを改めて教えられました。
普段仕事で毎日木々と接しているのですが、人が手を加えたものはそれなりのものですし限界もあり、又維持管理し続けなくてはいけません。
自然の山々は人が手を加えなければ自然が維持管理し続けてくれます。
ですが植樹林や里山(人が環境を変えた山)は枝おろし、間伐、伐採、植林等を継続していくうえで絶対必要条件になるのに、それをする後継者、人材不足で深刻な問題にもなっている事は皆様もご存じかと思います。
日本人が本来持っている自然をいつくしみ、大切にする気持ち、それは自然の大きな営みを損なうことなく接し、ともに暮らせる場を庭に求めるガーデニング(造園)は「人生の『わざ』と知恵」として今も昔から継承されて生かされています。
以前、朝日新聞か何かに【学ぶ】は【真似ぶ】からの語源になっているとか…を思い出しましたが、日本のガーデニング(造園)は『自然の叡智』に学び自然に感謝する事かも知れません。